竹狩物語

 昔々ある所に、露美緒(ロミオ)おじいさんと樹李越斗(ジュリエット)おばあさんが今坂山に住んでおりました。
 露美緒おじいさんと樹李越斗おばあさんには二人の娘がいましたが、大きくなると二人を捨てて都会に行ったまま連絡もなく、帰ってくることもありませんでした。
 七月七日大安吉日の日に露美緒おじいさんは、竹細工の材料の竹を狩りに今坂山の国生竹林にでいりに行きました。
 露美緒おじいさんはがんばって五本狩りました。帰りにパチンコですろうと、新町に行こうとしようとしました。すると、目の前に立派な大きな竹が現われたのです。しかも、竹の一部がシャイニングしていたのです。
「光が………」
 露美緒おじいさんは一目見て、この竹が欲しくなりました。
 露美緒おじいさんは対竹用槍型ウエポン《芹》を構え、竹ににじりよります。
 竹は露美緒おじいさんの発する殺気に反応し、ふぁいちんぐポーズをとりました。
 両者の構えに隙は無く、その為睨み合いが続きました。
 ぶぁさ、何処からともなく風に吹かれて、九州名物六尺赤ふんどしが露美緒おじいさんと竹の間を遮りました。
 タッ、最初に動いたのは竹です。竹は露美緒おじいさんとの間合いを詰め鋭い突きを放ちました。
「ッフ」
 露美緒おじいさんは横に飛び竹の攻撃をかわしました。それと同時に《芹》を展開しました。
 うにゅう、と一閃《芹》を横薙ぎで竹に向かって払いました。竹は素早く横になって避けると、縦に一回転と半ひねりをいれて露美緒おじいさんに踵落としをあびせました。
「甘いは!!」
 踵落としをしてくる竹に対して、露美緒おじいさんは《芹》を振り上げました。
『うおおぉぉぉぉぉぉ!』
 露美緒おじいさんの魂の叫び声が重なりました。
 ダムゥ、二人の攻撃がぶつかりあい、辺りにもうもうと土煙が上がりました。
 土煙の中から立ち上がったったのは露美緒おじいさんでした。
「お前はまさしく、好敵手(とも)だった………」
 露美緒おじいさんは、竹の躯を拾い上げようとしました。すると、シャイニングしている部分が割れてそこから弾のような桃が現われました。
「竹が子供を………しかしウマそうじゃ」
 露美緒おじいさんは桃を靴下に入れて、竹を担いで町に繰り出しました

 その日の夜、パチンコですりまくった露美緒おじいさんは、樹李越斗おばあさんに黄ばみカルピスしか飲ませてもらうえず、腹へリンコでした。
「そういやぁモモちゃんが…………」
 露美緒おじいさんは靴下から桃を取り出すと、かぶりつきました。足のフロ~ラルな香りが付いていましたが気にしませんでした。
 むにゅぅっと普通とは違った歯ごたえと、つるりとした舌触りがしました。
 露美緒おじいさんは慌てて桃から口を放して、それを見ました。なんと、桃から右足が生えているではありませんか。
 露美緒おじいさんは桃を柱にくくりつけ、生えている右足にワイヤーロープを結び付けました。
 十分に距離をとり、耳に栓をしてワイヤーロープを引っ張りました。
「あんぎややゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃゃ?」
 と大きな鳴き声と共に、可愛らしいベイベ~が引っ張り出されました。
「ふう、やっぱりか」
 露美緒おじいさんは、近くで白目を剥いてくたばっているネズミを見て言いました。
 早速露美緒おじいさんは、この事を樹李越斗おばあさんに報告しました。
 子供のいなかった樹李越斗おばあさんは喜んでアレを飼う事を決めると共に、露美緒おじいさんをつるす事を決定しました。
「黙ってモノを食べようとしたバツ」
 樹李越斗おばあさんはニヤソと笑って、言いました。

 桃から生まれた女の子は、生まれが七夕で、しかも竹から生まれた桃から出てききたので統子と命名されました。
 生まれて三年が経ち、範子は異常な程の成長を見せて、長身美形の大人になりました。今ではりっぱな《竹狩師》(ハンター)となり、《塚》(づか)の統子と呼ばれ、女性にそれはたいそう人気が出たそうな。
 そんな統子は最近、夜になると月を眺める事が多くなりました。
 何か悩み事があるのではないかと心配になり、露美緒おじいさんは統子に声をかけました。
「そのこや……」
「統子です」
 五年という歳月は、露美緒おじいさんを惚けさせるのに十分な時間でした。
「何か悩み事でもあるのかい。わしゃで良ければ話してはみんかの」
 統子は少し考え、「おばあさんを呼んでください」と言いました。
 露美緒おじいさんは、樹李越斗おばあさんを呼びました。露美緒おじいさんと樹李越斗おばあさんは、統子の前に体育座りをして集まりました。
「おじいさん、おばあさん…………私は実は火星人で葬儀屋の娘なのです」
 露美緒おじいさんと樹李越斗おばあさんが来たのを確認すると、統子は話し出しました。
「火星人?」
 露美緒おじいさんと樹李越斗おばあさんは、聞き慣れない言葉に訝りました。
「ええ、地球(ココ)とは別の星の人間なのです」
 統子は踵を返し、窓か夜空を見上げました。夜空には数多の星が宝石の如く輝いてます。
「私の星は月人(つきびと)の侵略を受け滅ぼされました。私は母に地球に逃されて今の状態に至ります」
「良くは解からぬが大変じゃったのう」
 露美緒おじいさんは座ったまま、器用に足を動かし統子に近づきました。
 統子は黙って露美緒おじいさんの人中に、後ろ蹴りをクリンヒットさせました。露美緒おじいさんはその勢いで転がっていき、元の位置に戻されました。
「うぐぅ………痛恨の一撃…」
「次の満月………次の満月の夜に月人の使徒が私を捕らえにやってきます」
「統子…………」

 日は過ぎて次の満月の夜になりました。
 二隻の船が、露美緒おじいさんのお家の脇に着陸しました。その宇宙船の一隻から、ダンディーな野郎が降りて来ました
 男は競歩で、家の正門に回りこみました。
「いらっしゃい」
 門にもたれかかっていた統子が言いました。
 門の前には露美緒おじいさんと樹李越斗おばあさん、それと統子がいました。
「ああ、こんばんは」
 男は片手を上げて、挨拶をしました。
「私の名前はタクマ、良ければタクマンと呼んでくれ」
「いやだ」
 あっさりと統子は断わりました。
「………それとこれは土産だ」
 タクマは京都名物八つ橋を一ダース、樹李越斗おばあさんに渡しました。
「これはどうも」
 樹李越斗おばあさんは八つ橋を四次元袋に入れました。
「私は出口統子。こちらは露美緒おじいさんと樹李越斗おばあさんです」
「これはお初にお目にかかります」
 タクマハ恭しく礼をしました。そして、顔を上げてキッと統子を睨みました。
「私がココに来たわけは解かっているな」
「大方は」
「なら話しが早い。我々はココに三時間しか居られない、何故なら三時間を過えると停船の延滞料金を払わなければならないからな」
「なるほど」
 統子は深く頷きました。
「統子、家に帰ってこい」
「いやだ」
 キッパリと統子は断わりました。
「何がいやなんだ」
「あんな餅しかない所に帰りたくない」
「な、月特産の餅をバカにするのか!!」
 タクマは強く怒鳴りました。
「あの……」
 おずおずと露美緒おじいさんはタクマに声をかけました。
「それにその髭が気に入らん。剃れ」
「お前に人の髭にけちをつける権利はない。それに他人に迷惑をかけるな」
「すいませんが………」
 露美緒じいさんは再度、タクマに声をかけました。
「それだからお前はあれだなっと言われるんだ」
「うっさい黙れ」
「……」
 無視された露美緒おじいさんはめげてしまいました。
「すいませんけど」
 っと凛とした、樹李越斗おばあさんの声がしました。
「そんな性格だから彼氏が出来ないで、サブしか出来きないんだ」
「うう、私の事はどうだっていいだろ」
「すいませんけど」
 大きな声で樹李越斗おばあさんは言いました。それと同時に、タクマと統子の脇腹に良い蹴りをかましました。
「ムフウ」
「グフ」
 タクマと統子は脇腹を抑えて、地面に崩れ落ちました。
「ちょっといいですか」
 樹李越斗おばあさんは、タクマの襟首を絞りこむように掴みました。
「オゥ……オゥケー」
「話がみえてこないんだけど」
「…………は、話すから」
 それを聞くと、樹李越斗おばあさんは手を放しました。
 タクマは両手を地面につき、大きく肩で息をしていす。
「私はこの娘が家出したので連れかえしに来たのだが」
「私の聞いた話しだと、月人の侵略を受け滅ぼされました星の生き残りの捕獲だと」
「それは統子の嘘だな。月と火星は友好関係にある」
 タクマはそう言うと、統子の方を見ました。統子は樹李越斗おばあさんに頭を鷲掴みにされてもがいています。
「統子は月人の私と火星人の沙梨叉(さりっさ)のあいだにできた娘だ。この娘(こ)が赤ん坊の頃私は木星の方にとばされてそんなに会う機会がなかった。そのためかこの娘(こ)は私の事を父親だとは思わず、沙梨叉をつけまわすストーカー野郎だと思ってしまったようで………本当の父親だという覆し難い証明を突き付けてやったら家出した次第で………」
「貴様なんか父親ではないは」
 統子は樹李越斗おばあさんの呪縛から逃れると、そう言いました。
「何をDNA判定は確実なんだぞ」
「知るか。お前なんか父親じゃない! 母様から離れろ」
「くぅ……お前が寝てる時に『タクマは父親だ。タクマは父親だ。タクマは父親だ………』っと呟いてる私の努力をなんだと思ってる」
「な……っそ、そんなことしていたのか」
「いかにも!!」
 タクマはキッパリと言いました。
「さあ、家に戻ろう。地球に干渉するのはいけない事だしな」
「貴様が母様から半径一キロ以内に近づかないって言うのなら帰ってやっても良いが」
 タクマと統子の間に冷たい空気が流れ出しました。
「そうかこれほど言っても帰らないというのか」
 感情のない声で、タクマは言いました。
「ストーカー野郎はどっかいけ!」
「仕方ない……力尽くで連れ返すか」
 タクマは統子を睨みました。
 負けじと統子も睨み返します。
「宜しければ、庭を使ってくださいな」
 樹李越斗おばあさんは、張り詰めた空気の中申し出ました。
「これはかたじけない……統子庭に来い」
 タクマは庭に向かいました。
「上等」
 統子はそう答え庭に向かいました。

 庭にあるリングで、統子とタクマは対峙しています。ギャラリーには露美緒おじいさんと樹李越斗おばあさん、それとゲストの平家蟹がいます。
 統子の得物は、樹李越斗おばあさんが創ってくれた対竹用刀型うえぽん《睦》(ちか)。タクマの業物は愛刀のパラッシュ《堤》です。
「手加減はせぬぞ」
「こちらこそ」
 死合いのゴングが鳴り響き、統子とタクマは同時に動きました。
 間合いを詰めた統子は《睦》を抜刀しました。その事を読んでいたタクマは後ろへと飛び紙一重のところで回避し、着地と共に統子に向かい鋭い突きを放ちました。統子は体をひねって半身になってかわそうとします。タクマの放った突きは統子の服の袖の一部を切り、その下の肌に赤い細い線をつけただけでした。
 統子とタクマはすれ違いざまに目が合いました。そのとき目線が絡み合い火花が散りました。
 範子は体制を素早くなおすと逆袈裟切りに《睦》を繰り出し、タクマは一歩踏みこんで《堤》を突きの状態から横薙ぎに振り払いました。がぎぃぃぃぃん、《睦》と《堤》がぶつかり合い火花を散らせました。
 範子は横に飛び、タクマとの間合いを離しました。しかし、タクマはすぐさま間合いを詰めて、横に一閃《堤》をふるいます。統子は《睦》でなんとか防ぎましたが、タクマの一撃は重かったためバランスを崩しよろけてしまいました。統子に隙ができましたが、タクマは攻撃をせずに後退して距離をとりました。
「お前の力はそんなものか」
「…………」
「全力でこい」
 言うやいなやタクマは統子に襲いかかりました。
 統子はタクマの攻撃を紙一重で交わしていき応戦しますが、タクマが巧みに避けるためかすりもしません。
 激しい攻防が続いた後、鍔迫り合いなりました。こうなると統子に分がありません。
 タクマは統子を弾き飛ばしましたが、それと同時に統子は後ろへ飛びました。タクマは腰を低くし、《堤》を下段に構えます。統子は《睦》を鞘に戻し腰だめに持っていき、つばに軽くてを添えます。
 タッ、統子は着地するとタクマへ、タクマは統子へと向かって走って間合いを詰めます。
「夘嗚嗚嗚嗚!」
 タクマは加速しました。
「覇唖唖唖唖唖!」
 統子は少し身を屈めました。
 パシュ、タクマは更に加速しました。ダシュ、半テンポ遅れて統子が踏みこみました。
「三牙月(にかげつ)」
 タクマが技を放ちます。
「睦月(むつき)」
 統子は技を出し迎え撃ちます。
 統子とタクマの二人が一瞬消えた様に見えました。
 キェイインンーー、鋼と鋼のぶつかった澄んだ音が鳴り響きました。統子とタクマはすれ違いお互い背中を向けています。
 統子の髪をまとめていたギャロップがするりと外れ、髪の毛が広がりました。
「なかなか腕を上げたようだな」
 タクマはそう言うとニヤリと笑いました。
 ドサリと音を上げ統子が倒れました。
「だがまだまだだ」
 タクマはパラッシュをしまうと、露美緒おじいさんと樹李越斗おばあさんに向き直りました。
「この三年娘がお世話になってしまって、礼の言いようがない」
 タクマは頬を掻きながら良いました。
「いやいやこの三年統子を育てられて幸せでしたぞ」
 露美緒おじいさんは嬉しそうに言いました。
「もう行ってしまわれるんですね」
 樹李越斗おばあさんは悲しげな表情になりました。
「ええ、この娘の母親、沙梨叉も心配してることだし……………本当に家の娘がお世話をかけました」
 そう言うと、タクマは統子を肩に担ぎ上げました。
「三日後国生竹林に行ってください」
 タクマは捨て台詞を残して去っていきました。
 露美緒おじいさんと樹李越斗おばあさんは、その夜月が沈むまで月を眺めていました。

 三日後のことです。
 タクマに言われたとうりに、露美緒おじいさんは国生竹林にきました。そこで竹を三本狩ったことでした。
 露美緒おじいさんは轟いているゴールデン色の大きな竹を見つけました。
「これは久しぶりの大物じゃ」
 露美緒おじいさんは、《芹》を片手に駆け出しました。



あとがきぃ~~~~♪

 つうわけでこんなんできました。
 前半はスラスラと書けたんだけど、後半がつまりまくってどうくくるか悩みまして。っであんなのになった。
 ネタ・弓戸亜朗、作ぶらすたー(※サムの旧ペンネーム)何でこうなったかというと、(B部)執筆班内でのイベントで先輩が後輩に小説の書き方を教えるってのがあって、弓矢さん(この時点三年生)と私(この時点二年生)がペアになったわけですな。とりあえず小説を書こうという事で何書こうかってことになり、弓戸「じゃあ、かぐや姫で鬼退治」っとネタの提供、鬼退治を混ぜると辛いのでかぐや姫だけで進めることにして書き始める。いきなり弓戸さんの手におえない状況になり、ただひたすらぶらすたーは爆走を続ける。時折、弓戸さんに意見を求め後半は出来あがったのでした。
 こんなエンディングでOKだろうか。
 まぁ、完成できて満足満足~~♪

H13 1/30